2013
3月千葉

2013年、特に出かけて観察できる機会が少なかった。
有尾類の飼育についての講演や、水族館のバックヤードを案内して頂くような
内側的な行動が多い年だった。フィールドに出ない年は非常に寂しい・・。
年齢的に出かけるのがシンドくなったっていうのもあるんだけど笑。

 
 2013年3月
トウキョウサンショウウオの新規生息地探索に子供も連れて行く。
湿地に入るも、子供たちの何ともセンスの無いこと・・・
ズブズブ埋まって探索どころでは無い。
あっという間に着替えが無くなり、足場のしっかりした養老渓谷に移動。
エビだのツチガエルなんかを掬って遊ぶ。
都会のもやしっ子達なので、鍛えるのに時間がかかりそう・・・。

久しぶりの千葉だけど、田んぼの電気柵の普及が半端無いね。
迂闊に、ひよせや水路も近づけない時代になってきた。

動水族園バックヤード訪問

   
 友人からのお誘いで、上野動物園爬虫類館様のバックヤードへお邪魔させて頂いた。
展示されていない種類が多々いる。色々な場所を案内して頂いたが、やっぱり両生類の
バックヤードだとテンション上がるなぁ〜。
ブロンクスから来たイボイモリもだいぶ大きくなってる。
産卵はしたみたいだけど、未受精だったようだ。ここのバックヤードだけで受精させるのは難しいだろう。
受精させるには空調一定管理では♂が求愛行動を起こさないし、繁殖用水槽も改善した方が良さそう。。
求愛の為の温度設定とスペース、産卵用の環境を見直す必要はあると思います。
お忙しい中、有難うございました。

   
 他日、葛西水族館様のバックヤードにもお邪魔させて頂きました。
有尾類は飼育管理していない施設ではあるけど、マグロの濾過設備とか凄かったなぁ〜。
嫁と子供達は大喜びでした。有難うございました。

5月
富山

 
 今年の残雪は半端無かった。
ハクバを見に富山へ。
4月中旬に1度行ったものの、当日に急な降雪があり、山間部まではレンタカーでは到達できずやむなく帰る。

GWに再度、様子を見に行ったけど、凄い残雪!
ポクポク雪山登山を開始したけど、スノーシューにストック使ってる方を見かける。
こっちの装備は長靴だし、現場がどうなってるかも分からないので、ちょっと不安だったけど
とりあえず行ってみる。結果的に見たかった源流は雪に覆われていて、水際が分からず危険と判断し断念。
湧水地帯は大丈夫そうだったので観察を開始する。


   
 流石に時期は早く、卵嚢は2対のみの観察。
湿地を私なりのルートで探していくが、全然いない。やっと♂が見つかって、その後♂が濃い密度で
見つかり出す。もう分かっているのだが、1地点を中心に半径2mぐらいに集中して待機♂がいるのだ。
私もその中心部外縁から中心に向かって、渦巻き状に調べているのだ。

中心部はもちろん産卵場所である。常に産卵されているオブジェクトを見てみると1対だけ
産みたての卵嚢が付いてる。なんか♂の盛り上がり方にしては少ないなぁ。
♂の集まり方からしてこれからがシーズンなんだろう。
残雪の影響で同じ時期でも、最盛期とはまた違ったあり方をする・・
何度観察しても分からない事が多いなぁ笑。
だから楽しい。


番外編の話

2013年現在
ハクバサンショウウオは長野、新潟、富山、岐阜に生息している。
基準産地の長野と岐阜は県指定の保護動物だけど、富山新潟では未指定だ。
新潟では3箇所の生息地があったと記憶してるけど、工場敷地内の生息地以外は激減(絶滅?)して
実質的に採集は出来ない。採集可能なのは富山だけという事になるが、地域によって外見的な
違いがあるのを知っている虫屋がどれほどいるだろうか?
論文がある訳でも、本に書いてあるわけでもないので、知る由も無いと思う。

何が言いたいかというと、オークションで販売されているハクバサンショウウオの外観は
富山産のそれに属してない。岐阜県産に顕著な個体群である。
(全ての富山県内生息地を見た訳では無いけどね。)
重ねて言うけど、岐阜産は県指定保護動物である。罰則付きだよ?
すでに岐阜県側も知っているし、DNA検査もされている。サンショウウオは同種でも地域判別できるぐらいの
遺伝子差異があるんですよ。止めた方がいいんじゃないかなぁ〜と思う。
だからと言って富山産個体群を換金しに来ないでね。

オークション絡みでもう一言。
シリケンイモリの南部の綺麗どころを売ってるのをよく見かけるけど、購入者は
沖縄南部のシリケンのツボカビ感染率を分かって購入してるのかなぁ・・?
金箔個体は確かに魅力的だけど、城址跡、垣花樋川  、イモリ池なんかの人間が
よく立ち入る場所のツボカビ感染率はヤンバルの個体に比べて断然多い。
ほぼキャリアと言って過言では無いレベル。
ツボカビは国内では驚異で無くなったし、治るものだけど、外産種も飼っているなら
話は別だ。私もシリケンは好きだけど、ツボカビのスワブ調査の結果を知ってからは
シリケンを飼うのに躊躇するようになった。
売ってる綺麗なシリケンは、大体南部産だから、外産の有尾、無尾を飼ってて
導入予定の人は、検査、予備治療をしてからの方がいいと思うよ。

結構高値で買う人がいるけど、沖縄の人がこぞって採集しだしたらどうすんの?
値下がりしていいって?笑。ハブより高値が付けばハブ捕まえる人いなくなるね。
(ハブも過剰に採集されてると思うけど)そして綺麗なシリケンもいなくなるね。

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